新しい片頭痛治療薬について
 

背景

 
 2021年4月より、片頭痛の新しい治療薬が使用できるようになりました。片頭痛の治療薬には、頭痛を止めるための急性期治療薬と、頭痛を出にくくする予防薬があります。新しい治療薬は、予防薬になります。
 片頭痛が起こる際には、様々な痛み物質が放出されます。その中で、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、主要な原因物質の一つです。CGRPは、顔面や頭部の知覚神経である三叉神経に存在しますが、片頭痛発作時にはこれ過剰に発現します。過剰なCGRPは、血管を拡張させ、痛み物質を産生し、片頭痛を引き起こします。また、痛みを感じ易くする作用もあります。 

 

新しい治療薬のメカニズムと効果・安全性

 
 新しい予防薬は、このCGRPをブロックすることで片頭痛を予防します。今回は、イーライリリー社より開発され販売されることになりました。エムガルティといいます。CGRPに関連した予防薬は、他の製薬会社での開発されていて、今後は順次認可されていくと考えられます。

 

 エムガルディは月に1回の注射薬です。これまでのデータからは、エムガルティを使用した患者さまは、月に8.6日あった片頭痛が3.6日減ることが示されました。 

 

 また片頭痛の頻度が50%以上減った患者さまの割合は、49.8%でした。75%以上減った患者さまは25.5%、100%減った(頭痛がなくなった)患者さまは9.0%でした。 

 

 エムガルティはこれまでに、世界40ヶ国以上の患者様にこのお薬が使用されてきました。副作用としては、皮下注射のため注射部の疼痛や腫脹などが10%程度に認められています。重篤な副作用は、稀ではありますがアナフィラキシーの報告があります。 

 

実際のお薬の使用方法

 
 実際の使用は、初回は2本の皮下注射、その後は月に1回1本の皮下注射を行います。注射の後は、30分、院内で様子観察します。